面白い人と聞くと皆さんどのような人を想像するでしょうか?
一発ギャグを簡単にできちゃう人、発想が変わっている人、見た目がコミカルな人、様々あるかと思いますが、面白い人を想像した時に一番共通することは、
おしゃべりな人
ということでしょう。
確かに面白い人は当然面白い話も多くストックしているでしょうし、笑いも取れるので注目を浴びがちです。
では面白い人と思われるにはおしゃべりではないといけないのでしょうか?
答えはNOです。
実はおしゃべりではなくても面白い人になれる手段があるのです。
ということで、今回はおしゃべりではなくても面白い人になるための「引き芸」というテクニックについて考えて見たいと思います。
引き芸とは?
今回紹介する引き芸というものに関してまずは紹介したいと思います。
引き芸とは、場の会話やノリに自分からグイグイ食い込んでいくのではなく、基本的には受け身の姿勢で場に参加し、自分にタイミングが回ってきた時に確実に笑いを取っていくスタイルの芸です。
引き芸とは逆に「押し芸」というスタイルも存在し、こちらは場の会話やノリに積極的に関与していきスベることもあるがウケを取る数も多いというものです。
引き芸ができるとどうなるか?
前述の通り引き芸は、自分から場の会話やノリに関与することなく、タイミングを見計らってポンと面白いことをするスタイルです。
量より質のタイプであるため、実はすぐに面白い人だと思われにくいというスタイルがあります。
その一方で一度面白い人だと気づいてもらえれば、押し芸の人と違ってめんどくさがられることも少なく、飲み会や各種イベントで重宝してもらえることでしょう。
ただし引き芸の人しか空間にいない場合、下手すると会話が盛り上がらないということにもなりかねないため、「押し」「引き」両方がある程度できるようになるとより面白くなれるのです。
引き芸を得意にする芸人
芸人さんといえば「押し芸」のタイプの人がよく目に付きます。
例えばアンタッチャブルの山崎さんやFUJIWARAの藤本さんをはじめとした有名雛壇芸人の肩がや、彼らやMCに積極的にいじられるアンガールズ田中さんやトランクドラゴン鈴木さんなどのいじられ芸人の方もどちらかといえば押し芸(引きずり出され芸)に位置します。
その一方でバラエティ番組には「押し芸」だけではなく「引き芸」の人もちゃんと配置しています。
おぎやはぎやオードリー、ピース、など中堅の芸人さんでMCをやっていない方は、この引き芸をうまく使って笑いを取っています。
引き芸で笑いを取るパターンとは
引き芸とは場のノリや会話に積極的に入っていくのではなく、タイミングを見計らって面白いコメントやリアクションを取っていくというスタイルの芸ですので、引き芸を駆使することができれば、
おしゃべりじゃなくても面白い人になれる
のです。
そこで引き芸をうまく使いこなすためにいくつかパターンを紹介したいと思います。
指摘する
引き芸はその名の通り、「一歩引く」スタンスで笑いを取るということです。
一歩引いたスタンスであることの一番のメリットは、押し芸の人たちが気づかなかったボケやミスに気付きやすいということです。
距離を取っている分、場をよく観察しノリに流されることなく、客観的に見た変なところに上手く指摘ツッコミができるとうまく笑いを取れるのです。
「〇〇さんだけ今間違えてませんでした?」
「客観的に見たら、これ〇〇だよね?」
間で笑わせる
引き芸は自分にリアクションのタイミングが回ってきた時に初めてコメントするので、自然と周囲の視線が自分に集まります。
そのため、あえて時間をとるという「間」を駆使したコメントやリアクションをすることができます。
押し芸の場合は会話にガンガン入っていってしまうので「あえて時間をとる」ような行為をしても回りの人に聞いてもらえない可能性が高いので、「間」を活用できるのは引き芸の人の特権です。
ツッコミにしてもリアクションにしてもコメントにしても、「間」を使って笑いを取れるように意識してみましょう。
「・・・正直あんまり美味しくなくない?」
「・・・・・・いや誰かなんか言えよ!」
裏の笑いを駆使する
引き芸は「一歩引く」ということになるので、場の会話やノリに入っていく表の笑いではなく、裏の笑いを取りに行っても不自然はありません。
裏の笑いとは、場に生じている流れに則った笑いではなく、もう一段上のレイヤから見てコメントやリアクションをすることで笑いを取る方法です。
押し芸タイプの方が流れに則った笑いを取りに行こうとするので、一通り流れが終わったところで一段上のコメントをすると他の人と視点がかぶることなく笑わせることができます。
「この一連の流れがくだらないよね」
「これ歴代トップの笑いだね」
自分をフリにする
最後は「自分そのものをフリに使う」という方法です。
「引き芸」という自分のスタンスが十分に周りに知れ渡っていれば、「場のノリにあまり入っていかない」「前に出てこない」ということがフリになっているため、そこから外すような「あえてノリに入っていく」「あえて前に出てくる」という行為が勝手に違和感になるのでボケとして成立するのです。
これは押し芸の人には絶対できないテクニックなので、引き芸をやる以上は絶対に使いこなしたい技です。
ただし「あえて前に出る」を使いすぎると、いずれ「あえて」ではなくなってしまうため、笑えなくなってしまいますので使い所には注意が必要です。
まとめ
今回はおしゃべりではなくても面白くなるために、引き芸というスタイルを紹介しました。
「引き」にしても「押し」にしても結局は場のメンバーや空気などバランス良く盛り上がれるのが重要なので、どんなスタンスでも使いこなせるようになるのが理想です。