面白い話をする人としない人を大きく分かつ物は、
めちゃくちゃ面白い出来事に巡り合うかどうか?
ではなく、
ちょっとした出来事を面白く話せるかどうか?
です。
出来事を面白く話すためのテクニックは様々ありますが、今回はその中でも特にシンプルな
倒置法で面白く話す方法
を紹介したいと思います。
笑いの基本は「納得感」と「違和感」
今までの記事で何度も紹介している通り、人は急速な「納得感」もしくは「違和感」を感じるとつい笑ってしまいます。
「なるほど!」や「なんでだよ!」といった感覚です。
トークの中でこの急速な「納得感」「違和感」発生させるために「フリ」と「オチ」という役割付け・考え方が存在しています。
- フリ:オチで納得させるための謎かけ。もしくはオチで違和感を感じさせるための道すじ作り。
- オチ:納得感を与えるフリに対する回答。もしくは違和感を与えるためのフリで用意された道筋から大きく外れるコト。
「さあ面白い話を作ろう」と考えた時にこのフリ・オチ構造を作り出せる人は、お笑いのセンスがある一部の人だけです。
多くの人はこの構成がわかって居たとしても簡単には実現できないのです。
しかし、今回紹介する倒置法を知っているととても簡単にこのフリオチ構造の骨格を作ることができます。
倒置法とは
倒置法とはお笑い用語でもなんでもなく、一般的な国語用語です。小学校の授業で取り上げるようなレベルのものなのでご存知の方も多いかと思います。
主語->修飾語->動詞
という本来話すべき文中の順序を並び替えて、
修飾語->動詞->主語
だったり、
主語->動詞->修飾語
という順番で話すことで、最後に持って来た単語や文節を強調して伝えることができる方法です。
例えば、
「友人Aがバイトをクビになったらしいよ」
という話があったとしたら、
「バイトクビになったらしいよ!友人A!」
と話すのが倒置法を使った話し方です。
ちなみに倒置法は日本語特有の話し方ではなく、英語をはじめとした外国語にも存在する文法で、同じように並び替えて最後になった単語を強調する意味があります。
倒置法を使って面白く話す
倒置法は単なる文中にある単語の並び替えですが、「最後にもってきた単語や文節を強調できる」というのが非常に重要なポイントです。
そうです。
レールに沿った話や謎かけといったフリをはじめに説明し、違和感や納得感を与えるオチを最後に持ってくる。
という笑いの基本と倒置法は非常に親和性の高いものなのです。
倒置法の使い方
自分が務めてる職場は会社全体ではちゃんとしてるんだけど、うちの部署だけなんかブラックっぽいんだよね。
営業成績ちょっとでも落ちると部長Aがめちゃくちゃガミガミ言ってくる。
でもある時会社の掲示板に「パワハラで部長を懲戒免職にする」っていう訓告が張り出されたんだよね。
こんな話があったとして、起きた出来事を普通に説明するとしたら上記のような文章になるでしょう。
こんな面白事件が起きて居てこんな話し方をしてしまったら、あなたは大きなチャンスを逃して居ます!!
営業成績ちょっとでも落ちると部長Aがめちゃくちゃガミガミ言ってくる。
でもある時会社の掲示板に訓告が張り出されたんだよね。「パワハラで部長を懲戒免職にする」って。
こう話すだけで全然ウケは変わってきます。
「パワハラでクビ」というオチを最後の最後に持っていくことで、フリからオチに向けての落差がより強くなるため、違和感や納得感を演出できるのです。
今回紹介した例は目立った事例ですが、意外とこのように倒置を使わずに話してしまっている人が多いので、ぜひ意識して使ってみましょう。
倒置法を有効に使える例
倒置法は面白い話をするために非常な簡単で効果的な方法ですが、その力をより引き出せるパターンが存在します。
このパターンをいくつか紹介したいと思います。
感情を前置する話し方
自分の感情を出来事の前に持ってくることで、強引に納得感を演出することができます。
スタバでコーヒーとかパンとか一杯買って二階席に上がったら、席が一つも空いてないの。
ショックだったわー
という普通の話ですが、
スタバでコーヒーとかパンとか一杯買ったら、
こんなショックな事起こるんだっておもったんだけど、
席一つも空いてないのね。
と感情を前に持ってくることで、フリ部分で「ショックだった出来事ってなに!?」という謎かけが生まれ、その感情になった答えがオチになる、という構造が勝手に生まれるので面白い話に変化します。
また感情を前置して話すと聞き手側の感情も比較的コントロールできるので、話終わった後に
「いや俺はそう思わないけど・・・」
というスベりを防ぎやすくなります。
ツッコミを前置する話し方
感情以外で前置しやすい物は、「ツッコミ」です。
話のオチに対するツッコミを自分で先に言ってしまうことで、相手が違和感を理解できずにスベるというリスクを回避できます。
今年の新卒社員の名前が、上本、糸井、中谷で阪神のスタメンだったのよ!
こう言われても多くの方は「???」となるでしょう。
これ実は阪神のスタメンです。
2番上本、3番糸井、4番中谷です。
野球を相当詳しくないと
「ん?ああ!たしかに。」
となって弱い笑いになってしまいます。
そこで、
今年の新卒社員の名前がおもしろくて、
「もう球場いけよ!」ってなったんだけど、
上本、糸井、中谷で阪神のスタメンだったのよ!
と話すと、多少野球に縁がある人であればかなり笑いやすくなります!
※ツッコミ部分があまりにもオチの内容と近すぎると、オチで落差が生まれなくなってしまうので注意してください。
まとめ
今回は倒置法を使って話す方法について紹介しました。
面白い話に限らず人を引き込む話し方として倒置法は非常に有効なのでぜひ使ってみてください。