忘年会シーズンが近づきつつある今日この頃ですが、
新人さんは例の地獄のフリが近づいていることに戦々恐々としているのではないでしょうか?
そうです。
あれです。
「なんか面白いことやれよ!」
です。
そんなフリが飛んできた時に1発ギャグをさっとやって、パパッとウケを取れれば非常に評価が上がること間違いなし。
というわけで、今日は一発ギャグの構造と原理について考えてみたいと思います。
一発ギャグをパクるのはあり?
飲み会でちょっと振られたくらいなら、往年のギャグを拝借してやってしまえばいいじゃん。
と思いの方も多いかと思います。
これは完全にタブーです!ほぼ確実にスベります。
以前からなんども書いていますが、笑いの基本はフリとオチ。
オチの瞬間に起きる「違和感」もしくは「納得感」の大きさが笑いに変化します。
なので、往年のギャグをあなたがそのままやったとしても、
「違和感」「納得感」が生まれず、「へ〜」となるだけです。
ちょっと捻れば往年のギャグでもウケる
早速前述のことを否定していますが、
実は往年の一発ギャグを一般人がパクってもウケるパターンは存在します。
往年の一発ギャグというそのものをフリにしてウラ寄りの笑いを取りに行けばいいのです。
具体例としては以下の通り
元ネタの人物に顔もしくは声が似ている
これはモノマネで笑いを取っているのに近い方法ですが、一発ギャグの元ネタの人物に似ているということへの気づきは、「納得感」となり笑いになります。
もしやる可能性があるならば、なるべく事前の会話の中で元ネタの人物と似ていることは隠しておきましょう。
元ネタをわかりやすく間違える
「がちょ〜ん」などといった元ネタの知名度が高い場合、あえて間違えることは、「違和感」となり笑いになります。
ギャグそのもので笑いを取っていないので、完全にウラの笑いです。
十分に違和感を発生させるために、長めの一発ギャグを拝借しギャグの最後で間違えるといった工夫も必要です。
複数の元ネタを混ぜる
有名な元ネタ通しをうまい具合に混ぜると「納得感」による笑いを発生させることができます。
ただし「ネタを混ぜる」ということにピンとこない可能性があるので、複数種類用意して連続でやるなどして違和感を増長させる工夫が必要です。
一発ギャグの構造
ここまで往年の一発ギャグを改変する方向で逃れる手段について書いてきましたが、やはりオリジナルのギャグを作って笑いを取るのが一番すっきりするでしょう。
というわけで一発ギャグの構造について考えてみます。
笑いの基本構造
一発ギャグの笑いについて考える前にまず「笑い」そのものの基本原理である、「違和感・納得感理論」というものについて紹介したいと思います。
「違和感・納得感理論」とは、
人が急激な違和感もしくは納得感を感じたときついつい笑ってしまう
というものです。
みなさんも自分が笑ってしまったことを思い出していただけると、そこには必ず、
「え、なんでだよ!!」という違和感や「おお!なるほど!!」という納得感のどちらかが存在しているはずです。
この違和感や納得感を受けて側に”急に”感じさせるということが、
笑いを取ることにおいて最も重要なポイントなのです。
一発ギャグの基本
ギャグだろうがトークだろうがやはり肝になるのは「違和感」と「納得感」です。
一発ギャグはほんの数秒の短い間でフリ・オチを作り、これらの感覚を演出して笑いをうむ必要があります。
フリートークより難易度が高いです。
そう考えると、ギャグをちゃんとできる方はホントの実力者なのかもしれません・・・
一発ギャグの構成要素
一発ギャグという短い時間で「違和感」「納得感」を演出するため、まずは一発ギャグの構成要素をあげてみましょう。
以下のような例が考えられます。
- 言葉
- 声質(声の高さ・ボリュームなど)
- 動き(手・足・体など)
- 表情(目・口など)
- 間
- リズム
これらの要素をうまく組み合わせてフリとオチを作っていきます。
一発ギャグの例
では近年ぎゃがーとして名を馳せている流れ星のちゅうえいさんのネタで分析して見ましょう。
こちらのギャグは、
フリ: 「リズム」+「動き」
オチ: 「動き」+ 「言葉」
=> 違和感
のギャグです。
相方の声もコミで笑いを取っているところもあるので、反則かもしれません。
こちらのギャグは、
フリ: 「顔」
オチ: 「顔」
=> 納得感
のギャグです。
思わず「確かに」といってしまいそうなギャグです。
珍しく顔だけで笑いを取っていますが、
またフリがシンプルな顔芸なのでオチも表情を変えるだけかと思いきや、
まさかの顔を横に使ってくるというちょっとウラ寄りの一面もあるギャグです。
こちらのギャグは、
フリ: 「動き」+「言葉」+「間」
オチ: 「動き」+「言葉」+「声質」
=> 違和感
のギャグです。
フリとオチが違うものになるだけの非常に単純なギャグですが、
フリとオチの間が非常にいい具合の長さになっていることと、声質の微妙な変化が笑いを誘っています。
こちらのギャグは、
フリ: 「動き」+「リズム」
オチ: 「言葉」
=> 納得感
です。
リズミカルな動きの中から別のものを連想させ「納得感」を演出しています。
一発ギャグを簡単に作る方法
とここまで一発ギャグの例と構造を見てみました。
構造がわかってくると自分で発想できるようになりますが、最後に簡単に作れるパターンを紹介しましょう。
それは、
フリ:「動き」+「リズム」
オチ:「言葉」
=> 納得感
のパターンです。
凄腕のギャガーとして有名なちゅうえいさんもこのパターンを以外と多様しています。
コミカルな動きを(リズミカルに)歌いながら、最後に
「コミカルな動きが実はこんなものと同じです」
といったオチを言葉で添えることで納得感の笑いを取ります。
ある動きと類似のものを見つければギャグになるのでかなり作りやすいです!
まとめ
今日は一発ギャグの構造についてまとめて見ました。
一発ギャグは難しい・・・と思ったら、自分が先輩になっても後輩に無茶振りするのはやめましょうね!