漫才の役割がボケとツッコミに分かれているように、ツッコミはお笑いにおける非常に大事な構成要素です。
一見「面白い」と思われそうなのはボケがうまい人ですが、実はツッコミでも十分笑いを取ることができるのです!
日常でボケるには立場や雰囲気に注意しなければ、下手をすると無礼な人間と思われかねません。
しかし、ツッコミは違います。
1つ1つの違和感に的確にツッコめることは、笑いを取ると同時に「しっかり者」や「頭の回転が早い」といったポジティブな印象を与えることができるのです。
今日はツッコミを極めて行くために、ツッコミの分類についてまとめてたいと思います。
ツッコミの10種類
ボケは時代を追うにつれてどんどん変化しています。
落語・漫談・漫才・コント・コミックソングなどさまざまなお笑いの形態が流行っては廃れと繰り返す中で、少しずつ進化して来ました。
それと同時に、その進化して行くボケを適切に正して行くツッコミも進化して来ています。
その結果として現代のお笑いには10種類のツッコミにまとめられると言われています。
これらのツッコミを全て理解し、使い分けることができれば立派な「ツッコミキャラ」になることができるでしょう。
指摘する
ツッコミの基本は、ボケや日常に潜んでいる違和感を正す、ということです。
そのためツッコミの基本は「指摘」です。
まずはこの指摘をベースとしたツッコミの方法を紹介します。
直接型指摘ツッコミ
ボケや日常の中に潜むおかしなところを直接的に指摘するツッコミです。
上司「今日僕くんの奢りでよろしく!」
僕「僕が奢るのはおかしいでしょ!」
このようにボケの違和感をシンプルに指摘するのが直接型指摘ツッコミです。
疑問型指摘ツッコミ
指摘ツッコミと同じように違和感を指摘するが、指摘するというより疑問を投げかけるというツッコミです。
上司「今日は僕くんの奢りでよろしく!」
僕「なんでぼくが奢るんですか?」
ツッコミにつかった言葉は先ほどとほぼ同じですが、疑問文になっているのが特徴です。
英語で言うところのDo you?がたの疑問文だけではなく、5W1Hをつかった疑問文もこのツッコミに使えるので、色々とバリエーションを用意することができます。
擬音型指摘ツッコミ
これも指摘ツッコミの派生として解釈できますが、指摘する際の言葉遣いがシンプルになり擬音のみでツッコむという方法です。
上司「今日は僕くんの奢りでよろしく!」
僕「おーい!」
「おーい!」のように非常に短い(ほぼ擬音に近い)言葉で指摘します。
「おーい!」以外にも「まてまて」など色々あり、バラエティ番組などで多用されている形で使い勝手がいいのでぜひ試してみてください。
指摘しない
ここまでは「違和感を指摘する」ということをベースにツッコミを紹介しましたが、
あえて指摘しないことで違和感を浮き彫りにし結果的にツッコミになる、
というツッコミの方法に付いて紹介します。
動作ツッコミ
基本的なツッコミは声や言葉でボケの違和感指摘して行くものですが、このツッコミは動作でツッコむという方法です。
上司「今日は僕くんの奢りでよろしく!」
僕 (上司の頭を叩く)
上司に対して頭を叩くのはちょっと無礼ですが、「奢りでよろしく」はそのくらい許される大ボケでしょう。
頭を叩くというのはビートたけしさんのピコピコハンマーを始め多くの芸人さんが取り入れていますし、漫才中はツッコミとともにこめかみを叩くというのが主流です。
それ以外にもドリフや新喜劇のコントのように、ボケたタイミングで転ぶフリをするというのも立派な動作ツッコミです。
すかしツッコミ
基本的ツッコミはボケの違和感を指摘するという共通点がありましたが、このツッコミはその違和感を指摘しない・流すというツッコミ方法です。
上司「今日は僕くんの奢りでよろしく!」
僕「ところでどこ食べにいきますか?」
僕くんは、上司の「部下に奢らせる」というボケに全く反応していません。
このボケをうけながす行為を「すかし」と言います。
すかしたことで、「上司がボケた」ということが目立つため、結果的にツッコミとして成立します。
自己ツッコミ
「指摘する」「指摘しない」に関してツッコミの分類を紹介しましたが、そもそもツッコミは他者や周囲の違和感に対して行うものでした。
ここでは、他者ではなく自分にツッコむという切り口でツッコミの種類を紹介します。
自己ツッコミ
他者のボケではなく、自分でボケて自分でツッコむことで笑いをとるというツッコミの方法です。
上司「今日は僕くんの奢りでよろしく!」
僕「…」
上司「いやパワハラで訴えられるわ!」
僕が何かを言う前に上司が自分で自分のボケを指摘しています。
自分でボケて自分でツッコむのはあまりツッコむ気がない人を相手にしても笑いを取れるので便利です。
ノリツッコミ
有名なツッコミの型ですが、ボケに対してすぐにはツッコまず、ボケに乗っかったコメントをした後自分自身にツッコむという方法です。
上司「今日は僕くんの奢りでよろしく!」
僕「いつも上司さんはがんばってるから偶には…って勘弁してくださいよ〜」
上司のボケに対して一度は乗っかって、その後に突っ込んでいます。
乗っかり途中で急に切り上げてツッコミに入るというスピード感がポイントです。
レベルの高いツッコミの表現
ツッコミの分類とはまたちょっと異なりますが、レベルの高い・面白いツッコミをして行くための表現のバリエーションを紹介します。
倒置ツッコミ
普通のツッコミの文章を倒置して伝えるという方法。現代のバラエティー番組等で使われるツッコミの多くはこの方法を使っている。
上司「今日は僕くんの奢りでよろしく!」
僕「パワハラで訴えられますよ〜?なんで僕が払うんすか!」
これはちょっとピンと来にくい手法ですが、普通のツッコミだと、
「なんで僕が払うんすか!訴えられますよ!」
という順番になります。
これを倒置することで「なんでだよ!」ばかりな単調なツッコミにバリエーションを入れることができます。
ボケた部分の指摘に目がいってしまうため、指摘を後にする倒置は難易度高めです。
広げツッコミ
ボケに対するツッコミを一言で終わらせず、二言三言バリエーションをかえながら立て続けにツッコんで行く方法。
上司「今日は僕くんの奢りでよろしく!」
僕「なんで僕が払うんすか!毎回同じボケするのやめてくださいよ!うちの会社そういう社風なんすか!?」
指摘にプラスして「時」や「場所」、「コト」など色々な視点や角度で連続してツッコむのがこの方法です。
テンポよく2つ3つ言葉を発していくのがポイントで、間延びしてしまうとあまり相手に伝わりません。ただ笑いを取りやすいにもかかわらず難易度低めなのでオススメです。
例えツッコミ
ずばりレベルが高いツッコミといえばこれ。
違和感を何かに例えることで想像力を掻き立てて笑いをとって行くツッコミの方法です。
上司「今日は僕くんの奢りでよろしく!」
僕「古典芸能みたいなボケやめてくださいよ!」
例えツッコミを使うには、普段の会話の中でどんなボケが生まれるかわからないので、例えを的確に出せる反射神経とボキャブラリーは鍛えて行く必要です。
しかし例えツッコミさえ使っていければ、確実に「面白い人」扱いをしてくれるようになります。メリット大です。
まとめ
今回はツッコミを10種類ほど紹介してみました。
これらのツッコミを単調にならずに会話に織り交ぜていければきっと「面白い人」になれるはず!